どうもお久しぶりです。
ブログ更新のネタが最早、映画レビューしかなくなってしまったな(汗)
とまぁ、それはさておき、今回は2022年2月4日放映開始し、2月6日に地元の映画館で観て来た「大怪獣のあとしまつ」のレビューと言うか、考察と言うか、愚痴と言うか…
見え過ぎた地雷を踏んだ時の気分って、こういう感じなのかな?(汗)
ま、まぁそんな感じの記事にございます。
ここから先はネタバレを含みますので、まだ観てない・これから観るつもりの人は閲覧中です。
という事で、ここから先は「つづきはこちら」にて…
ブログ更新のネタが最早、映画レビューしかなくなってしまったな(汗)
とまぁ、それはさておき、今回は2022年2月4日放映開始し、2月6日に地元の映画館で観て来た「大怪獣のあとしまつ」のレビューと言うか、考察と言うか、愚痴と言うか…
見え過ぎた地雷を踏んだ時の気分って、こういう感じなのかな?(汗)
ま、まぁそんな感じの記事にございます。
ここから先はネタバレを含みますので、まだ観てない・これから観るつもりの人は閲覧中です。
という事で、ここから先は「つづきはこちら」にて…
前もって言いたいのだが、自慢ではないんだが、自分は「どんなクソな映画でも良い点を見つけ、どんなに酷くても酷評するつもりはないし、評価基準も激甘」な映画好きだという事を皆に知っておいてほしい。
それに他の映画レビュアーみたいな筋金入りの映画オタクでもないことも知っておいてほしい。
それらを頭の片隅の端っこに置いた上で読んで行ってくれ。
さて、この作品についてはまず広告を見かけた時の頃からお話しするとしますか…
この作品は、昨年の商業デパートの最新映画情報コーナーの広告チラシで見かけたのが始まりでした。
※画像は1月上旬頃からのポスターで、初期のは男性女性1人ずつの後ろ姿になってました。
「特撮物の映像作品でゴジラやウルトラマンや防衛軍(自衛隊)に倒された対戦相手の怪獣の死体って、あの後どうなるんだろう?」というコンセプトを、タイトルや広告チラシの裏文(あらすじ)を見て、「あ、そういえばそうだな!」ってハッとした瞬間からかなり気になっていました。
確かに、ゴジラやガメラシリーズ、近年のウルトラマンシリーズでも、対戦相手の怪獣って大概光線技やらで爆発四散するのが多いせいで全然気にならなかったのだが…
昔のウルトラマンシリーズとかだと切断技や肉弾戦で爆発せず、原型をそのままに死ぬことが結構多かったんだけど、その死体のその後は全く描かれてこなかったんですよね。
なので特撮もの(特に怪獣映画)が大好物の自分にとって、この広告を見た時は「かなり素晴らしい疑問に着想を得たな!!」と感心したものです。
でもさ…
でもさ…
予告映像解禁前の広告チラシの段階で凄まじいクソ映画臭を放っていたのはどういう事なのよ!?
そう、Twitterで先に観た人たちが「これは酷い」と口を揃えて報告していたんだが、自分は広告チラシを初めて見た瞬間に「これはクソ映画の可能性が高いぞ」と確信していました。
マジだぜ?その頃から既に「クソ映画かおバカ映画のどっちかしかない」と思ってたよ?
あぁ、そうえいば、勤めてる会社を通じて知り合った同じ特撮好き(特に仮面ライダー)の人がいて、この作品の事を伝えたら「何それめっちゃ神映画やん!」と目をキラキラさせたもんだから、「期待しない方がいいよ」と予防線をあらかじめ張ってあげたっけな。
1個200円前後の仮面ライダーの食玩5種類1セットをAmazonで7000円以上も出して買ってあげたのは忘れないからね!!
で、えーっと、なんだっけ?
ああ、そうだそうだ。
なぜ「クソ映画の可能性が高い」と確信したかは、チラシにでかでかと描かれてた怪獣の死体の状況だったんすよ。
なに?普通の生物でも片足を天高々と真上に上げて死ぬ奴がいるか?
ギャグか何かを狙ってでないとそんなヘンテコというか不自然且つ100%ふざけた物を堂々とポスターや広告には使わないぞ!!
というかその死体の格好はどっかで見たことあるんだよなぁ…
なんだっけ…?
あ!!
ドナルドダックの「ドナルドのライオン騒動」で撃ち殺される演技をするライオン(中身はデューイとルーイ)のあれじゃん!!
ああ、なんかすぐに話が脱線してしまうな…
映画の話をするつもりが話を脱線させた方がマシに感じるなんて人生で初めてだ。
で、自分は本作を鑑賞後も未だに予告映像を見てないせいもあるんだが、とある朝のニュースバラエティ番組で「長年のライバル同士の会社がタッグを組んで製作」と言ってたもんだから、「遂に東宝(言わずと知れたゴジラの会社)とカドカワ(現在のガメラの版権所有会社)が手を組んだのか!?ゴジラとガメラのクロスオーバーを作る足掛かりとして作ったのか!?」と、多少の期待をしていたんだが…
実際にタッグを組んで製作した会社は松竹と東映。
東映はまだ解るよ…現在でも続く仮面ライダーシリーズで特撮のノウハウを持った会社だし…
でもさ、松竹って…松竹って…!!
「宇宙大怪獣ギララ」の会社って!!!
まぁ、特撮を東映、俳優面のキャスティングを松竹って感じで役割を分担したんだろうと思う(思いたい)。
というか何だろうね、どうも自分は東映と松竹(特に松竹)には不安を抱えることが多いんだよなぁ。
確かに2社とも良作・名作が山のようにあるんだけど、今まで観て来た日本の実写映画に偏りがあるせいからかな?
それとも怪獣映画系以外の日本の実写映画を全く見ようとしない自分の性分のせいかな?
とまぁ、結構この段階で長々となってしまったが、実際に映画を見る前までの自分の状況はこんな感じでした。
既に不安と違った意味での恐怖しかなかったのがイメージできるかと思います。
それでも「シン・ゴジラ」以来の日本産の怪獣映画、これは例えどんな地雷でも踏み抜かなければと思い、地元の映画館の朝イチの放映時間で観に行きました。
で、ここからが今回の本題の良い所と悪い所をネタバレを含んで語っていきたいと思います。
因みに、Twitterで先に観た人たちが「シン・ゴジラ」と比較してるのが多いが、自分も最小限に絞ってだが比較して語っていきます。
というか比較しないで鑑賞・評価するなんて無理だ。どうしても比較してしまう要素が多すぎる。
まずは良い所を1つ1つ取り上げていくよ。
まず1つ目はやっぱり「死んだ後の怪獣をどう処理するか?」という今まで特撮ファンも見逃していた疑問点に着目した所、つまりはこの作品を作るきっかけが素晴らしい。
前述した通り、(自分はだが)平成辺りからのウルトラマンやゴジラと戦う怪獣って、基本的に光線技とかで爆発四散ばっかで気にはしてなかった。昔のウルトラマンシリーズで切断技や肉弾戦で原型を留めた状態で死んだ怪獣も多いが、死に様ばかりに目が行きがちで、死んで以降はそれっきりで誰も気にも留めなかった。
本作においてはその「見過ごしていた疑問点」に対する1つの解答例を提示したのが素晴らしかった。
なんで、ここまで見過ごされてきたのだろうかね?
「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」のカメーバの死骸が打ち上げられた場面で誰も疑問視しなかったのだろうかね?まぁ、自分もその疑問視しなかった人間の1人なんだけどさ。
2つ目は怪獣映画という事もあり、実際に火薬やミニチュア・マペットを使っての特殊撮影をしていた所。
Twitterでの先に見た人たちの酷評には無かったが、実際の劇中での特殊技術による映像は圧巻です。
最初の凍結作戦において朝日と共に溶けて崩れ落ちていく氷のシーンや、次に実行された放流作戦はかなり見所ですよ。
というか、怪獣映画において特殊撮影が命なんだからそこは手を抜かなかったのが安心した。
また、これはパンフレットを購入して知った情報なんだけど、特撮映画もCG合成が主体となってしまったこの世の中だが、実際に火薬やミニチュアを使って爆破させたりしてるんですよね。
怪獣の腐敗隆起にミサイルが直撃して起きた爆炎も実際に火薬を仕込んで爆破させて撮ったそうです。
死体役の怪獣もゴジラシリーズ・ウルトラマンシリーズで活躍した造形監督が17年振りに怪獣映画に参加し、全長6mの精巧なマペットを作り上げたそうだ。
低予算で全部をCGで済ます事の多い日本にしては思い切った舵取りをしたところは評価できる。
ただ、実写とCGの合成も違和感がほぼ無かったですよ。
撮影セットも最小限に留めており、物語の中盤辺りで実行される「廃ダムを爆破し、決壊したダムの水で怪獣の死体を押し流す作戦」の準備の為にダムに爆薬を仕掛ける作業のシーンも、栃木県のダムで実際にダムの天馬から高所作業車でスタントマンを実際に吊るして撮影した模様。
2021年2月、栃木県足利市にある松田川ダムで映画『大怪獣のあとしまつ』の撮影が行われました
ダムの壁に爆薬を仕込むシーンは、スタントマンが、実際に高所作業車に吊り下げられて演じています️#栃木県フィルムコミッション #大怪獣のあとしまつ pic.twitter.com/8PTDllSD0h
— 栃木県フィルムコミッション (@film_TFC) February 4, 2022
3つ目はオダギリジョー演じるブルースとその部下たちの爆破砕石グループ、町工場の工場長(八見雲という名前)の存在感。
個人的にキャスト面と演技面を評価すること、取り分け特定の人物をってのはまずないんだが、後述する悪い所が余りにも濃すぎたのが原因で良評価に転じたんだよな。というかオダギリジョーとその部下たち、八見雲さんがその存在感で一時の清涼剤になってて、自分がこの作品を最後まで見れた要因だったと思います。
4つ目はネタに走って笑えた所が(少々)あった点。
これは悪い所なんだが、とりあえず良い所が少ない(というか薄い)ので捕捉のつもりです。
1つ目のネタが「西田敏行の顔のアンクル・サム」ポスターが貼られている。
※元ネタの「アンクル・サム」
これは怪獣との戦いで日本が若者を徴兵しているという背景設定の為、政府が若者を徴兵する為に貼られていたというれっきとした理由があってのネタなんですよね。
2つ目のネタが、「怪獣を使ったバンクシーの絵」を出している。
この世界にもバンクシーって存在してるんですね…。
傘をさしてバッグを持ったネズミが元ネタで、劇中では赤い傘をさしてバッグを持った怪獣になってました。
3つ目のネタが、「AKIRA」の登場人物そっくりのキャラがモブとして登場する。
多分、一番笑ったのがこれかもしれない。
とある場面で環境大臣の乗る車にカルト宗教団体が行く手を阻むシーンがあるんだが、その宗教団体の教祖が「AKIRA」に登場するミヤコそっくりだったんですよ。装束が白じゃなくて黒だったが、ヒステリックに叫ぶ姿は劇場版「AKIRA」に登場するミヤコのそれでした。
※映画「AKIRA」に登場するミヤコ様
とまぁ、良い所はこんな所かな?
で、ここからが悪い所なんだが…
ふぅ…(呼吸を整える)
よし、始めよう…!
まず悪い所の1つ目は、何と言ってもgdgd感があり過ぎる所。
特に劇中に登場する内閣の大臣たちの怪獣の死体の処分についてや死体の腐敗進行による弊害への対処に対するやり取りが全体の半分くらいを占めるんだが、これが酷いのなんの…!!
例えで言うならば、「シン・ゴジラ」でだったら5分程度で済むような内容を延々と40分以上かけてやっちゃったりしてるんですよ。
もっと簡潔に済ませれる所を延々と引き伸ばし、不必要な所で映像をスローさせたり、不必要な要素を入れ込んだりと。
上映時間が1時間55分なんだが、その内不必要な要素は30分くらいあった感じです。
特に不必要な要素がキスシーンがある事。
そう、キスシーンを入れてるんですよ。
しかも4回も!!
怪獣映画でラブロマンスは要らないよ!!
他にも主人公(演:山田涼介)とヒロイン(演:土屋太鳳)の元カレ元カノによる痴話喧嘩。
とある映画レビュー活動をしている人が「映画で必ずgdgdになる要素の一つが痴話喧嘩を入れている事」と言っていたが、まさにそれだった。
事ある毎に互いに燻った恋愛感情についての言及を入れて、劇中のテンポを阻害させているんだよな。
海外映画でも1回はキスシーンを入れることはあるが、そういった所を真似なくていいよ、本当。
2つ目に、登場人物のほとんどが神経を逆撫でさせてくる。
冒頭のナレーションが山根基世さんだったから「映像の世紀」を連想してしまったが、主人公やヒロイン、首相秘書官を務めるヒロインの旦那(演:濱田岳)、主人公の部下と上司は少なくとも全体の話の進行をテンポよく進めてくれる為、これと言った不満点は無かった。
取り分け前述した通り、ブルースと八見雲の場面は一時の清涼剤と感じるくらい好きになれた。
でも、でもだ、その一方で物語の大半に登場する総理大臣以下内閣大臣の面々が画面に映る度に怒りがこみあげていた。
何せ内閣の面々が登場するだけで話が一向に進まなくなるんですもん。
優柔不断で真面目なんだか無能なのか中途半端すぎる西田敏行演じる総理大臣、事あるごとに下ネタを織り交ぜた意味不明な格言めいた言葉を口にする官房長官役の六角精児。
外出時の姿が完全に麻生太郎な財務大臣。
「シン・ゴジラ」で片山臨時外務大臣を演じた縁か、こっちでは無能すぎる外務大臣を演じる事になった嶋田久作氏。
そして何より頭に来たのは、まるで「自分が主人公だ」と言わんばかりに存在感をアピールさせまくった環境大臣(演:ふせえり)と防衛大臣の2人。
設定上は怪獣の死体処理に貢献し、それに乗じて政治的権力を得ようという下心から来てるのだが、その為には手段を選ばない醜い言動の数々から登場する度にデカい溜息を吐いたのを覚えてます。
特に環境大臣の方はヒロインの上司なので登場頻度は西田敏行、濱田岳と並んで多いんですよ。
もうね…正直に「ウザい」と思った(汗)
そういえば防衛大臣役をした人って、確か「シン・ウルトラマン」にも登場するんだよな。
そっちではもっとまともな人物であってほしいな(汗)
それとマスコミ役の中に明らかに記者には見えないデカい丸眼鏡をした女性が紛れ込んでて、なぜか囲い取材する際にめっちゃ目立つ位置に陣取っているんだけど、正直その服装からして「記者じゃないだろアンタ!」って言いたくなった。
もしかしてその存在による違和感で笑いのウケを狙ってたのかな?
あぁ、ウケ狙いで思い出した。
内閣大臣役の面々の演技がどこも大袈裟臭かったなぁ。特に怪獣の死体を目の当たりする辺りとか。
いやアンタら怪獣との戦いをどのぐらいの日数をかけて行ったかは知らないが、どんな外見をしているかは知ってるだろ。怪獣が死んだ報告を受けたことも何日も前から認知してただろ。
一般人でさえも存命中の怪獣の姿を認知してるくらいなのに、いざ死体をヘリの機内やモニターで目の当たりにした時に「し、死んでるぅ!!」「えぇっ!?ナニコレ!?ナニコレ!?」と、まるで「初めて怪獣が死んだことを知りました」「初めて怪獣を見ました」と言わんばかりに大袈裟すぎるんですよ。
ド序盤でこれだったから「先行きが思いやられる…」と重い重い溜息をついたっけなぁ…
3つ目は、下ネタ・下品ネタが何度も出るし、ギャグがどれも寒い。
ギャグの内容も全体で見たら「昭和のおやじギャグレベル」と言っても差し支えない程。
下ネタも下品ネタも伏せることなくストレートに発言するからより一層腹立たしかった。
だって「ウ●コ」と「ゲ●」をオブラートに包むことなくド直球で言うし、中国報道官の会見における字幕も伏せるどころか別の単語に言い換えることなくそのまんま表記されてるし…
因みに「ウ●コ」と「ゲ●」が一緒に何度も発言されるのだが、これは怪獣の死体から噴き出した腐敗ガスの臭いがどんなものかを例えた為に出てきた単語だった為、後に表現を考え、間を取って「銀杏のような臭い」と修正されたよ。
この時既に手遅れの中なんだがなぁ…
そういえば、濱田岳演じる首相秘書官が劇中で「このまま怪獣の死体の腐敗が進み、腐敗隆起が破裂しようものなら、銀杏(←ここだけ強い口調)の臭いに覆いつくされてしまう」と発言した際に、自分の座っていた席から6席離れた所で観ていた男性が思わず吹いてジュースを吐き出してしまってたな。
あぁ、あの男性にはウケたんだな。
自分は続きに続いた政治家役達の下らないやり取りと露骨な下品ネタに加え寒いギャグの連発のせいで呆れるあまり白目を向いてたけどさ…
あと、物語の終盤前、不法侵入したが為に怪獣の死体から噴き出した体液を浴びたせいで全身キノコだらけになってしまうYouTuber(演:染谷将太)が、隔離室で全裸状態で寝かされるんだけど、文字通り全裸なもんだから股間を黒いベタで塗りつぶすというこれまたド直球な事やってたんですよ…
せめて下半身だけでも毛布をかけてやれよ。最悪タオルで股間を隠すという手もあったぞ?
また、それに触れなければまだよかったんだが、西田敏行とふせえりが立て続けに「あれぇ!?このキノコ(意味深)だけ形が違うぞ!」と5分以内に言い出すもんだから呆れてものが言えなかった。
因みにこの全裸状態のままキノコまみれになった染谷将太は、劇中で土屋太鳳の手により、股間も露出させた状態でネットニュースを介して世界中に拡散されてしまいましたよ。
ちょっとだけ話が逸れてしまうがこのまま進めるよ。
前述で「恋愛要素は不要」と自分は言っていたが、これは個人的に怪獣映画において不必要と断言する要素があるからなんだ。
その不必要要素が「恋愛描写」「下ネタ・下品ネタ」「露骨なギャグ」の3つだ。
「大怪獣のあとしまつ」においてはこの3つが全て入っていたのだが、この3つは絶対と言っていいほど入れないでほしかった。
いや、この3つの要素はゴジラにもガメラにも含まれているタイトルがあるのは知っているよ?
でもその3つの要素はどの作品でも「さりげない程度」、「別に気になる程のレベルじゃない」訳よ。
「恋愛描写」についても露骨だったのは2014年版のギャレゴジでのフォード・ブロディ夫婦のキスシーン程度で他に深く掘り下げても「怪獣大戦争」の波川とグレンのフレンチ・キス1回だけで、「緯度ゼロ大作戦」でも『無事に帰ってくるよ』と言う意味でのほっぺにチュッ!程度だったし。ガメラシリーズでも明確な恋愛描写と言っても「ガメラ3」での守部が主人公の綾奈に淡い片想いを抱いてる程度で終わってたよ。
それ以外では主人公とヒロインがどことなく仲が深まる程度でそれ以上の進展が無いまま終わってたんだよ。
(キスシーンが必ずと言っていいほどあるのがハリウッド映画なんだが、モンスターバースシリーズにおいてキスシーンがあるのはこのギャレゴジだけなんだよな)
「下ネタ・下品ネタ」はゴジラでもガメラでも、そもそも使われたことが無い。「ゴジラ対へドラ」があるじゃんと主張する人がいる場合は、そこはただ単にお門違い。あの作品においてはヘドロや汚染物質が物語の中核を担っているので、もしそれを「下品ネタ」と主張するのであれば世界中のゴジラファン・へドラファンを敵に回すことになるよ?
「露骨なギャグ」もゴジラやガメラでも半世紀以上経っていても片手で数えれる程度だった。まぁ、昭和版ガメラシリーズは(血生臭さが所々あるが)根っからの子供向けに作られた作品(「ガメラ対バルゴン」は子供向けには少々遠いけど)だけあって初代の段階でどこかギャグ過ぎる部分があり、物語自体も子供目線の発想を中心にして進むのだが、それが一種の”品”として独特な雰囲気を表現して印象に残る敵怪獣の存在もあって高く評価されたからこそ今日でも根強く人気が続いてると自分は思っている。
一方のゴジラシリーズも子供向けに徐々に路線変更はしていたが話全体は初代から続く当時の日本社会の風刺を混ぜ合わせた内容が主体であり、「露骨なギャグ」も鳴りを潜めてるんだ。
露骨と言っても藤木悠のどこか大袈裟な演技とか、「2000-ミレニアム-」で親方から角材で何度も頭を小突かれる新人大工の場面くらいだったし。
登場人物の言動で観客がクスリと笑ってしまうような部分も、必ずゴジラ映画では「さりげない」訳よ。
この「さりげない笑い」の代表格が「シン・ゴジラ」における巨災対の面々の初顔合わせにおける森さんの名言的台詞「まぁ便宜上私が仕切る訳だがそもそも出世に無縁な霞が関のはぐれもの・一匹狼・変わり者・オタク・問題児・厄介者・鼻つまみ者・学会の異端児、そういった人間の集まりだ。気にせず好きにやってくれ」だろう。
台本だと知ってはいるが、この台詞に自分は未だにクスリと笑ってしまいます。
怪獣映画においてのギャグはそのくらいが調度いいんですよ。
その「さりげなさ」があるからこそ泉が矢口にペットボトルを差し出す名シーンが生まれたり、終始仏頂面だった尾頭が最後に微笑むのが印象に残る訳よ。
ニタリと笑ったり目を見開いて驚くメガギラスやキングシーサーを復活させる唄、ファイナルウォーズでゴジラにポイポイとやられていく怪獣たちの姿をギャグと捉えるかは人それぞれだろうけど、そこについての異論は認める。
「×メガギラス」における極楽とんぼのやり取りに関しては、彼らがお笑い芸人なんだからむしろ笑うべきポイントではあるけどさ。
ゴジラシリーズに関しては意図的に笑いを狙った個所は確かに何か所もあったが、個人的にはどれもクスリと笑う程度で尚且つ「さりげない」んだ。
「大怪獣のあとしまつ」においてはこの3つの不必要要素を全面に押し出し、尚且つどれも主張が強すぎてバランスも取れておらず、映像は覚えてはいるんだが、台詞の方はその不必要要素のせいで大半が記憶から消え去ってしまっているんだよな(思い出したとしても下らない下ネタ下品ネタ・露骨なギャグ発言だから後悔するだけだけど)。
ミラ・ジョボビッチによるミラ・ジョボビッチのミラ・ジョボビッチの為の映画と化してしまった「モンスターハンター」でさえ1回見ただけで大体の台詞を覚えれたのに…
4つ目は別に問題視する必要は無いんだが、個人的に気になったのが「小出しとして出たネタの掘り下げ」が不十分だったこと。
この作品において、怪獣の死体処理という事もあって政治的なやり取りが主軸となるのだが、もう少し一般市民視点の要素と劇中で名前と影しか出てこなかった「弐番艦」の存在をもう少し掘り下げてほしかった。
一般市民視点の要素の掘り下げに関しては、「怪獣討伐の為に一般人を兵士として徴兵される赤紙(徴兵命令)が発効されている」「怪獣との戦いの最前線に送られていた若者が帰還し、家族と再会する」「危険区域の拡大で故郷に帰ることが出来なくなった事をぼやく飲食店の店員」と必要最低限な分の掘り下げがされていたから別段問題じゃないんだけど、個人的には「怪獣の攻撃によって街並みが瓦礫と化したことを目の当たりにして呆然とする」といった被害を受けた一般市民の様子があまり描かれておらず、壊れて復旧最中の建物が序盤でそれとなく出てはいたが、「怪獣の侵攻によってどのくらいの被害が出ていたのか?」という疑問を拭えなかったのが気になった。
この疑問点がふと浮かんでくるって、怪獣映画としてはかなり致命的ではあるんだよね。
その延長線上にもなるんだが、「弐番艦」にも当てはまってしまうんだ。
劇中の序盤で「弐番艦」の影が映ってそれを見つけた小学生たちがスマホで記念写真を撮り合ったり、壮行会を行っている学生たちが教室の窓辺に集まってその機影を眺めたり、中盤で防衛省門前で田中要次演じる統合幕僚長や防衛大臣が見届ける中で飛び去っていったりとする場面があるんだが、実際どんな外見をしているのかは一切確認できず、序盤に映る影で外見を想像する他ない有様だった。
この「弐番艦」は劇中における架空兵器、ゴジラシリーズでお馴染みの「超兵器」に該当する存在で、扱い方次第では劇中における「怪獣と対を成す顔にもなれた筈の存在」でもあったんだが、予算の都合かシナリオ上そこまで重要視されてなかったからか、名前を呼ばれるか音か影で済まされただけでほとんど不必要な存在になってしまっていた。
「だったらわざわざ登場させる必要なかったろ!」と言うのが個人的な気持ちで、後述する最大の悪い点にも含まれるが「序盤で存在を示唆させて、これが終盤での「あとしまつ」におけるキーパーソンになる布石だった」というオーソドックスかつ有効的な手段を捨て去ったのが残念でならなかった。
総理直轄機関と言う説明がなされていたから問題になっていなかったものの、「弐番艦」の外見をちゃんと見せて、主人公が所属している「特務隊」が如何に重大な立ち位置にいたかを更に示す物差しにもなれたのに、これも行わず仕舞いだったのも非常に残念でならなかった。
で、最後の4つ目だが、「物語のオチ」つまりエンディングが最大の悪い点だった。
もう既にネタバレを公開している人もいるだろうし、こちらでも前もってネタバレ注意を記載したので半分半分ながら記載視するぞ?
話のオチは、山田涼介演じる主人公が単独(従順な部下による援護射撃あり)で、破裂寸前の腐敗隆起のガス抜きをするも、濱田岳演じる首相秘書官の指揮によるミサイル攻撃で腐敗隆起が破壊されてガス抜き作戦も失敗。主人公を心配して駆けつけた土屋太鳳演じるヒロイン(濱田岳の役の嫁という設定なのに)の目の前で、主人公がスマホを点に掲げると、光の巨人となって怪獣の死体を持ち上げて宇宙へと飛び立ち、ヒロインがそれを敬礼して見送った所でエンドロール。
(#゜▽゜)< は?
オチを実際に見た時の反応。↑
で、エンドロール後も続きがあって、その内容が驚愕する顔をする西田敏行とふせえりを映しながら、山根基世さんさんのナレーションで「新怪獣「メラ」が出現!予算半分で続編を鋭意製作中、乞うご期待!!」という嘘(であってほしい)次回予告エンド。
(##゜▽゜)< はぁ!?
最後の最後でウルトラマン(円谷プロ)とガメラ(カドカワ)に媚び売る形で物語終了という…
「ふざけんな」と言いたくなるようなオチだったんですよ。
なんというか、光の巨人の存在は劇中でそれを示唆させる描写が多々あったから悪い予感がしたんだが、それが的中してしまった。
それだけならまだいいのにエンドロール後のおまけで更にハシゴを外された気分になった。
それまで、架空要素はあったがそれまで実施された作戦の内容はどれも現実的なものだったし、個人的に「シン・ゴジラ」のように現実世界で実在する技術のみで、現実的に実行できる作戦でゴジラに勝利したみたいな展開を期待していたんだ。
製作陣営が「どれだけ解決策を考えても、ウルトラマン頼みでしか解決できませんでした」という解答提示したのが頭に来た。
これを見た時は、なんというかアレだ。
「DEAD OA ALIVE 犯罪者」の唐突過ぎるあの終わり方を見てしまった時以来だ。
ほら、「哀川翔と竹内力がそれまでクソ真面目にバチボコに殺り合ってたのに、最後の最後に竹内が心臓から光の玉を取り出して哀川に投げ付け、それを哀川が背中から無反動砲(バズーカ)を撃ち込み、双方がぶつかった瞬間に世界が滅んでエンドロール」という視聴者を悉く置き去りにしたアレですよ。
ふぅ、ようやく悪い点を全部吐き出すことが出来た。
さて、最後は小括としようかね。
個人的に要約すれば…
「特殊撮影は好評できるが、それ以外の要素で作品全体を台無しにしてし、スケールの大きいクジラの死骸処理にgdgdしまくった、駄作に片足突っ込んだ凡作以下映画」
といった感じかなぁ…?
前述したように特殊撮影に関していえばCG合成はあれど非の打ちどころがなく満足した。
だが、ダム爆破場面以外でのgdgdなシナリオ面・オダギリジョー以外のキャスト人のウザさ・無駄に入れまくった不必要3要素の全面推し・結局はウルトラマン(仮)頼みの期待して損した「あとしまつ」の結末・怪獣映画を馬鹿にしたような怪獣の死体の格好・政治的観点の監修不足・掘り下げればもっと面白くなりそうだった要素を無駄にした事、これらマイナス要素があり過ぎた為に凡作以下。
1(酷)~5(凡)~10(良)の10段階の点数で言えば、
「2に近い3」と評価させていただきます。
「ではどうすれば良作になりえたのか?」という点に関していえば、現実的に行うのであれば不必要3要素は全部捨て去り、シナリオ面も「シン・ゴジラ」のような終始シリアス路線で行けばよかったと思う。
もちろん、監督は庵野秀明さんで(ここ重要)。そうでなくても小島秀夫さんあたりで。
なにせこの映画を見ようと思った特撮好きの大半は恐らく無意識的に「シン・ゴジラ」と対比していた人も多くいただろうからね。
それにこういった怪獣の死体処理という根幹部分は政治色が色濃く描かれる為、政治的な観点を徹底して分析してシナリオに落とし込む必要性があったが、実際は外交的な部分だけでそれ以外は皆無だった。
この政治的観点に関していえば防衛相、及び実際に在任した国会大臣による全面監修を受けた「シン・ゴジラ」や社会的観点も色濃く精通しているエヴァシリーズ等を手掛けた実績を持ち、尚且つこういった分野を得意としている庵野さんや、MGSシリーズで国家戦略・軍事面・政治面で高い評価を得ていた小島さんを起用すべきだったと思います。
あくまで現実的にできそうな個人的意見だからね?
それと「もし自分が作品の内容を全部イジリ変えることが出来たら、自分はこういう展開にします」というネタもあるのだが、こちらは話が大きく逸れるのでここでは割愛。
はてさて、長々と主観的な評価がメインとなってしまったが、見え過ぎた地雷を進んで踏み抜いたのは人生において今作が初めてだったので、どうしてもレビューしたくて書きました。
あと、どうも放映開始1週間後に行われた映画ランキングで今作が1位を獲得したそうだが、一体何人もの視聴者がSNS上での噂で興味を持ったのか、見え過ぎた地雷と知っておきながらあえて踏み抜きに行った特撮好きが何人いたのか、山田涼介目当てで興味もないくせに観に行った女性観客が何人いたのか…
パトレイバーの後藤隊長張りに「みんなで幸せになろうよ」を地で行く光景が広がっている模様で…
という事で、個人的に見るにはあまりオススメしない作品でした。
見えてる地雷をあえて踏み抜きたい人ならば見るといいですよ。後悔するだけだけど。
さて、長々となってしまったがTwitterで見つけた、「大怪獣のあとしまつ」について分かりやすい要約をしてくれた方のつぶやきを掲載して終わりにしましょう。
お付き合いしていただきありがとうございます、またの機会にお会いしましょう。
大怪獣のあとしまつはジラースをウルトラマンが倒したけどほったらかしにしてシュワッチしたら、腐ってヤベー事になって、ハヤタ隊員達が死体処理するハメになり、グダグダに。最後は嫌気がさしたハヤタ隊員がウルトラマンに変身して死体処理する話。#大怪獣のあとしまつ#大怪獣のあとしまつ完了 pic.twitter.com/Z4nLfTb4hG
— ぴんべぇ(冴月麟) (@PINBE_) February 5, 2022
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